Letters

Letters by Yuriy Kusanagi

どこかにありそうでどこにもない街から

どこかにありそうでどこにもない街に僕は住んでいる。

 

この街に雨はほとんど降らない。

海から吹く風が心地良く、細い路地裏を通って、眩しいくらいの夏の空に消えていく。

 

噴水のある広場には今日も子どもたちのはしゃぎ声が響き渡っている。

台車に乗せて売られる色とりどりの風船は、この街の小さなオアシスを彩る宝石だ。

 

僕はノートを抱えたまま、噴水のそばに腰を下ろした。

粉のようになった水しぶきを少しだけ身体に浴びながら、この美しい時間の中に永遠を感じていた。