Letters

Letters by Yuriy Kusanagi

書評『世界一やさしい 経済の教科書1年生』小宮一慶著

僕がお金に関する本を積極的に読むようになったのは、FXを始めるようになってからだ。

 

通貨の価格には世界経済の状態が密接に関係している。

というわけで、僕は経済に関して無知でいるわけにはいかなくなったのだ。

 

いつものように、僕はAmazonの検索窓にお目当てのキーワードを入力し(今回なら「経済」だ)、その中で特に読みやすそうだったのがこの本だった。

 

 

著者の意見も含まれていることに注意

 

まず、注意点すべき点を挙げておきたい。

 

『経済の教科書』と銘打たれているので、著者の思想一切なしのニュートラルな「経済学」に関する本を連想するかも知れないけど、実際は違う。

著者の小宮氏の意見も多分に含まれており、「教科書」というよりは、著者による現代世界の経済の概観といった方が近そうだ。

 

内容は意外に幅広く、需要と供給円高・円安など経済を読み解く上での基礎から、税制各国の経済政策(本書の出版が2016年12月31日なので、本当に最新の情報だ)、AI化によって人間の雇用が奪われるかも知れない未来予測に至るまでの記述がある。

 

 

つぶれるべき企業がつぶれない日本

 

さて、本書の中で特に印象的だった一節を紹介しておきたい。

 

(日本では)つぶれるべき企業がつぶれないため、ヒト・モノ・カネの資源が生産性の低い企業に使われ、本来、使われるべき企業に資源が回らない

 

この一節は、日本経済を復活させるために規制緩和が必要であるとの主張の根拠になっている。

率直に言って、これに関しては完全に同意できる。

 

なんとなく、日本全体がこういう雰囲気に包まれているような気がするのは僕だけじゃないはずだ。

セーフティネットが多すぎるというか、弱者救済もけっこうなことだけど、攻めが最大の防御であるということを日本社会は忘れてしまっているように思う。

 

本来なら、経済が上手く回っていれば多くの問題は解決するはずなのに。

 

 

苦しい思いをシェアする時代は終わった

 

トランプ大統領がアメリカで誕生して、世界はさらなる個人主義の時代に突入しようとしている。

全員で苦しい思いをシェアする時代はもう終わったと思う。